臨床医学情報専門員は、一般社団法人日本臨床医学情報系連合学会認定の「臨床医学情報」の専門家です。
二つの大きな業務を行っています。一つは、AI診断、遠隔医療、コンピュータを利用した治療システムの開発、医療DX等です。二つは、広い意味の医療情報の提供です。病院に関する情報の提供、最新の治療方法の情報提供、従来の治療方法に関する情報提供等です。一つ目の業務は、専門とするプログラマー、サービスエンジニア等は従来も存在しましたが、不可能を不可能と決めつけず、可能方法を考える、考案する方向を研究する新たな試みです。二つ目の業務については、サブ的業務ですが、事業として成り立たないと考えられ、このような仕事そのものがありませんでした。ソーシャルワーカーとして患者の相談を担当する専門家がおりますが、医療機関に所属して医療機関の立場として行う仕事です。臨床医学情報専門員の情報提供は、従来にない総合的医療情報の提供なのです。そして、我が国の医療システムは、多くの問題を改善できずに長い間、放置されてきています。一つの例を挙げれば大学医学部の新設はこの50年間にただ一校のみでした。今後も医学部新設は許可されずに医師不足は続くと考えられます。
その様な、医師不足の続く中で患者が自らを守り情報を得て病院を選び、治療方法を選ばなければ命を守れない時代なのです。その患者の情報取得に協力し、医療制度の矛盾を少しでも補完できればと有志が、こぞって、この臨床医学情報専門員制度を作りあげました。確かに、現在は、ボランティアで行うしかなく、生業として成り立たせることは難しいのですが、主たる医療系の業務に付随して行うことは可能ですので時間をかけ、手間をかけて制度を作りあげる所存です。
医療機関は、患者のための最善の方法を考えて治療してくれるところばかりではありません。そのためにセカンドオピニオン制度があります。そのセカンドオピニオン制度ですら「私を信じられないのですか」と不満をあらわにする医師すらおります。そこまで言わなくても面白くない顔をするのが普通かもしれません。患者にとっての命は一つしかありません。やり直しも聞きません。最高の最善の治療を求めるのは当然の権利です。
亡くなった直木賞作家が、がんになり、治療方法を自ら調べて陽子線治療のあることを知り転院をして陽子線治療を受け、完治しましたが、その作家が、元の病院の主治医に「陽子線治療があることを教えてくれませんでしたね」と尋ねると医師は「うちでは陽子線治療は、やっていないから」と答えたそうです。自分のところでやっていないのなら最善の治療として他院を紹介すれば良いのですが医師は患者が求めなけない限り紹介しないことの方が多いのです。外科医は手術を、放射線医は、放射線をそれぞれ最善の治療と思って疑わないのです。しかし、がんによって最善の治療方法はそれぞれ異なるのは当然ではないでしょうか。
私達、臨床医学情報専門員は、患者に、現代医療の治療方法の情報提供及び各病院の設備、患者に対する姿勢等の情報を提供ししたいと思います。
Japan Clinical Medical Information Professional Association
MIPA 日本臨床医学情報専門員協会
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